アレルギー性鼻炎の
予防・症状軽減

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アレルギー性鼻炎は予防できるの?

アレルギー性鼻炎を発症するかどうかは、遺伝的な体質によるところが大きく、残念ながら完全に予防することは困難です。しかし、原因となるアレルゲンを自身の環境からできる限り取り除き、接触を避けることで、症状を軽減することは可能です。
ここでは、主にハウスダストなどが原因となる通年性アレルギー性鼻炎と花粉が原因となる季節性アレルギー性鼻炎に分けて、少しでも症状を和らげる方法をお伝えします。

通年性アレルギー性鼻炎症状の軽減

ハウスダストやダニが原因のアレルギー性鼻炎を発症するのは、家をきちんと掃除しないからだと責任を感じられる患者さんやご家族に時々お会いします。しかし、これは誤解です。 なぜなら、どんなに丁寧に掃除をしてもハウスダストやダニの根絶は無理だからです。とはいえ、生活環境や掃除方法の工夫、除湿器の使用などで、ハウスダストやダニを減らすことは可能です。
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会が提供している「アレルギー性鼻炎ガイド」に記載されているハウスダストやダニの除去方法、ペットアレルゲンの減量方法は、次のとおりです。

室内塵・ダニの除去

  • 室内の掃除は、掃除機をゆっくり動かし、1畳あたり30秒以上時間をかけ、週に2回以上掃除する。
  • 布製ソファやカーペットの使用、畳はできるだけやめる。
  • ベッドのマット、ふとん、枕にダニを通さないカバーをかける。
  • 部屋の湿度を45%程度、室温を20〜25℃に保つよう努力する。

ガイドラインには掲載されていませんが、寝具類は日光に当てて乾燥させ、取り込む際に掃除機をかけることも効果的です。
ただし、花粉症を併発している方は、寝具類を外へ干すことは逆効果になりますので、布団乾燥機を利用してください。

通年性アレルギー性鼻炎症状の軽減

  • できれば飼育をやめる。
  • 屋外で飼い、寝室に入れない。
  • ペットとペットの飼育環境を清潔に保つ。
  • 床のカーペット敷を止め、フローリングにする。
  • 通気をよくし、掃除を励行する。

季節性アレルギー性鼻炎症状の軽減

季節性アレルギー性鼻炎は、主にスギ・ヒノキ・ハンノキをアレルゲンとして春に発症するものと、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどをアレルゲンとして秋に発症するもの、さらに、種類の多いイネ科の植物をアレルゲンとし一年を通して不定期に発症するもの3つに分けられます。これらの花粉によるアレルギー性鼻炎の症状軽減のためのガイドラインは次のとおりです。

  • 花粉情報に注意する。
  • 飛散の多い時期は外出を控える。
  • 飛散の多いときは窓や戸をしめておく。
  • 飛散の多いときの外出はマスク、メガネを使う。
  • 表面がケバケバした毛織物などのコートの使用は避ける。
  • 外から帰ったら、衣服や髪の花粉をよく払ってから家に入る。
  • 外から帰ったら、洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
  • こまめに掃除を励行する。

上記のガイドラインについて、少し補足します。

マスクやメガネの効果

アレルゲンとなるものが体内に入った時、私たちの体内ではその物質に対する抗体が作られます。アレルギー性鼻炎の一種である花粉症は、再び体内に同じ花粉が入ってきたときに、作られた抗体が反応して症状を起こす病気です。

そこで、予防対策の基本は、原因である花粉を体内に入れないこと、つまり、アレルゲンを除去・回避することです。完全に回避することは不可能ですが、少しでも減らすためには、マスクやメガネが有効です。

では、どのようなマスクやメガネがより効果的なのでしょうか。
効果的なマスクは、呼吸の際に花粉が体内に入ることを少しでも防ぐことができるマスクです。花粉捕集率と空気抵抗を測定する装置を使ったテストで、市販されているマスクを検査した結果、「市販の高価なマスク=効果的」とは限らないことが分かりました。

マスクは、値段で選ぶのではなく、一人ひとりの顔の形にあったフィット感がよいものを選ぶことが重要です。また、高価なマスクを何日も使うより、比較的安価なマスクを1日1枚使い捨てにする方が、マスクへの花粉の付着や衛生面を考えても勝ると言えるでしょう。
さらに、季節性アレルギー性鼻炎の特徴のひとつにアレルギー性結膜炎の合併症があります。 アレルギー性結膜炎によるたまらない目のかゆみを予防するためには、メガネも予防対策グッズとして有効であると言えます。
最近では、花粉症対策としてメガネのふちにカバーが付いたゴーグル型のメガネも市販されていますので、目の症状の強い方には使用をおすすめします。

原因となる植物の除草による効果

季節性アレルギー性鼻炎の原因がブタクサやカモガヤなどの雑草である場合、普段の生活環境の周辺に生えている原因植物の除草をすることも大切です。
これらの雑草の花粉はあまり遠くまで飛ばないため、除草をすることで、ある程度アレルギー性鼻炎を防ぐことができます。この時、注意すべきなのは雑草の根から除草することです。根を取り除かなければ翌年また花粉症の原因となります。また、花粉の飛散時期に除草を行うとアレルギー性鼻炎を悪化させる恐れがあるため、花が咲く前にあらかじめ除草することが大切です。なお、河川敷など公共団体で管理されている敷地もありますので、お住まいの市町村等で除草の相談をすることもひとつの方法だと思います。

治療について

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