スギ舌下免疫療法の
注意点と副作用

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注意してほしいこと

  • スギ花粉の治療法であるため、その他のアレルギーでは効果が期待できません。
  • 投与するエキスはスギ花粉症専用です。ハウスダスト、ダニ、ヒノキ、カモガヤ…など、その他のアレルギー物質では効果は望めません。
  • スギ以外にもアレルギーがあり、スギ以外のアレルギー原因物質に対する抗体値(特異的IgE抗体値)が高い患者様に有効かは不明です。(臨床試験では、そのような患者様は除外されましたためです。)

治療を受けることができない方

  • スギ以外のアレルギー性鼻炎の方(必ず、採血検査でスギ花粉症かを確認しなければなりません。)
  • 5歳未満の方
  • 重度の気管支喘息の方
  • 悪性腫瘍(がん)や、免疫系の病気がある方
  • 妊娠中の方、授乳中の方
  • 70歳以上の方

治療に際して注意が必要な方

  • アレルゲンを使った治療や検査、またはスギ花粉を含んだ食べ物によってアレルギー症状を起こしたことがある方
  • 気管支喘息の方
  • 抜歯や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
  • ステロイドの内服薬や注射薬の投与を受けている方
  • 他に服用中のお薬がある方(非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬)

副作用について

この薬は合成薬ではなく、自然界にあるスギ木の花粉から薬用に成分抽出されています。
そのため、薬害は無いと考えられますが、理論的には舌下直後にアナフィラキシーとよばれる強いアレルギー反応を起こす可能性があります。つまり、スギ花粉にアレルギーがある患者さんにスギ花粉で治療するため、口にスギ花粉を入れることによりアレルギー反応が起こる可能性があります。
このような反応を副作用と呼ばず、副反応と呼びます。

これまでの臨床実験の結果、重篤な副反応はきわめて稀であり、従来の注射による方法よりもかなり安全とされます。しかし、軽い副反応はありますので、治療時にはよく理解する必要があります。軽い副反応は、決して怖いものではありません。よく理解していただければ、安全に行なえます。

ただし、ごくまれにアナフィラキシーショックが起こる可能性もあります。
下のような副作用が出たときは、アナフィラキシーショックの可能性がありますので、直ちに救急車を要請するなど、迅速な対応をしてください。

  • 突然のショック症状(意識が遠くなる、呼びかけても返事がない、脈が早くなる、不整脈、血圧低下)
  • 呼吸器の症状(声がかれる、胸がしめつけられる、呼吸がしづらい、呼吸がゼーゼー・ヒューヒューする、顔や唇が蒼くなる)
  • 皮膚症状(全身が赤らむ、顔がはれる、蕁麻疹など)
  • 目の症状(よく見えない、視野が狭くなった)
  • 胃痛が続く、嘔吐が続く

軽い副作用

  • 舌の下のはれ
  • 口の中のはれ
  • 口内炎
  • 口の中や、のどのかゆみ
  • 耳、鼻、目、皮膚のかゆみ
  • くしゃみ・鼻水・鼻づまり
  • 耳やのどや違和感

よくある質問

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